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2010年6月29日 (火)

パラグアイは蜃気楼のようだった

「生涯バックパッカー」を自称する私として、次の旅行に向けての予行練習のつもりでカメラをお気に入りのバッグに詰めて明治神宮に出かけてみた。分不相応と知りつつ高価な交換レンズを買ったのだが、全5キロほどのカメラバックはケッコー重さを感じるものだ。

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小雨混じりの明治神宮ではジューン・ブライドにあやかったのか次から次へと新夫婦が誕生している。

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そして記念写真というナガレになっている。

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そんな流れ作業を見てから代々木公園へ行ってみると、オー!サムライ・ブルーの着物姿の坂本竜馬さんが出迎えてくれた。

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特別なサッカーファンでもない私でさえテレビ中継に釘付けにさせたほど、フリーキック2発の成功で日本中を大盛り上がりさせた感のあるW杯南アフリカ大会だ。

どの国を応援しようかとなると、やはり心情的に自分がこれまで行ったことのある国ということになって、筆頭はブラジルということになる。サッカー王国と呼ばれるブラジルを旅行していると、僅かの空き地で子供たちがボールを蹴っている姿はしょっちゅう見られるし、その真剣な姿からは、日本人子供たちの「塾の合間の気分転換」的遊びとは別物のような気がしたのだ。

そのブラジルの最大の観光地にイグアスの滝がある。これだけの水がいったいどこで生産されどこに流れていくのか。轟音あげて落ちる滝の壮大さは見るものを立ちすくませるほど圧倒する。

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ただし、イグアスの滝はブラジルだけのものではなく、アルゼンチンにとっても最大の観光地となっている。

同じ滝でもブラジル側アルゼンチン側双方からの景色が違って見えるのが面白い。ブラジル側から見るイグアスは滝の全体を下から見上げるかたちになり、アルゼンチン側から見るイグアスは滝の上から見下ろすかたちになる。

イグアスでも特に有名な“悪魔ののど笛”を眼下に見ることのできるのはアルゼンチン側からだ。

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そして、イグアスの滝が落下する川の真ん中にブラジルとアルゼンチンの国境線が引かれている。

両国の川岸から滝巡りのボートが出ていて、観光客は救命胴衣に雨合羽の完全武装で乗り込むのだが、水しぶきの中を数分行っただけですぐ水浸しになってしまう。それでも暑い国のことだからシャワーを浴びたようで気持ちが良いのだ。

このボートの運行もブラジル/アルゼンチン両国の国民性があるようで、ブラジル側はどちらかというと安全運転のオットリ型。対するアルゼンチン側ボートは滝の真下まで突っ込んだり急にUターンしたりしての乱暴狼藉。だからアルゼンチン側ボートの乗客の上げる歓声悲鳴はブラジル側より数倍高く、そんな乗客のオーバーな反応が嬉しいアルゼンチン側ボートはさらに滝の下ギリギリまで突っ込むサービスをするワケだ。

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静かに情念を歌うのがポルトガルのファドなら、激しい情念を打っ付けるのがスペインのフラメンコというように、イグアスの滝のボート遊覧もポルトガルとスペインという旧宗主国の国民性のようだ。このあたりは、サッカー王国と呼ばれるブラジル/アルゼンチン両国の闘い方にも現れている気がする。

そのブラジル/アルゼンチンのイグアスの滝上流にはイタイプーという巨大な水力発電所がある。イタイプーというのは確か“岩の塊”という意味だったはずだ。

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これはブラジルと隣国パラグアイ両国が共同で作ったダムで、どのくらい巨大かというと、ブラジルとパラグアイ全土に送電してもまだ余裕のある電力を作りだすことができるのだそうだ。

「中国のナントカダムができるまでは世界最大の水力発電所でした」とガイドが自慢気に語り、そして「ホラ、向こうに見えるのがパラグアイです」と指差した方向には、まるで蜃気楼のようにパラグアイの街が見えたのでした。

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南アフリカWカップ決勝トーナメントで思いがけずも日本とパラグアイが闘うことになり、これまで目を向けたこともなかったパラグアイの情報がサッカーに絡めて入るようになりました。

パラグアイのサッカーというのは相手の攻撃を徹底的に防御し、耐えに耐えながら一瞬のスキを突いて反撃し屈服させるのだとか。これがブラジル/アルゼンチンというサッカー大国に潰され続けてきた結果身に付いた戦術だそうだ。これは正に大国に挟まれ資源も無い小国の歴史そのままじゃないか。

今大会もこのテでブラジル/アルゼンチンから勝ち点を上げて南アフリカまで伸し上がって来たのだから、パラグアイサッカーはシブトイよ!粘っこいよ!コスッカライよ!というのが大方のパラグアイ評のようだった。防御に長けている点では日本チームと似通っているとか。

こういう、パラグアイの悲哀をこめたハナシを聞くと、心情的にはパラグアイを応援したくなるのだが、サッカーを通じてにわかナショナリストになった私としては、やはりガンバレ日本!ということになる。

だから、

今晩の日本×パラグアイ戦に向けて改めて坂本竜馬大明神にお祈りいたしましょう。

代々木公園の
坂本竜馬像
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ひとつの勝利が
これほど国民を明るくさせたり落胆させる
スポーツの力を知ったW杯です。

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