乳のごとき故郷/藤沢周平
スイングジャーナルが来月号をもって休刊するそうだ。
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私のような田舎に住むジャズ少年にとってはスイングジャーナルが唯一の情報源で、1枚のレコードを買うのに同誌のレコード評を参考にしてなけなしの小遣い使ったものだ。昨今の社会事情で広告収入の減少が休刊の理由らしい。たしかにインターネットの普及で情報源は雑誌以外に移ってしまったんだろう。
そういえば私もスイングジャーナルを買わなくなってから15年くらいは経つもんね。
休日、プールへ向かって歩いていると近くに住む高校の同級生に車の中から呼び止められた。
「今度の同窓会に行くのか?」
彼が言うには高校の関東支部の同窓会があるのだそうだ。
私は同窓会だとか同級会などというものには一切の関わりをもちたくないから、各種の案内を受け取っても封を切らずにゴミ箱直行で無視してきた。
よしや
うらぶれて
異土の乞食(かたい)となるとても
帰るところにあるまじや
この言葉を胸に刻んでこれまで生きてきたから同窓会などに行くはずもない。なるべくなら卒業生名簿からも削除してほしいと思っているのだ。
すべては己の未熟さ身勝手が原因だったことは解る、それでも、他との最低限の接触だけで済む都会での暮らしに慣れてしまえば故郷との関わりなど鬱陶しいだけだ。
私のそんな故郷に対する恨みとは反対に「ウサギ追いしあの山、小ブナ釣りしあの川」に対する愛情を熱っぽく語るのがこの本。

乳のごとき故郷
藤沢周平
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文藝春秋
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ふるさとを描いた随想を集成
懐かしくも遠くなりゆく風景
生まれ育った庄内のこと、少年時代の記憶、
忘れがたき人々の思いなどを綴った
心に沁み入る全四十八篇
藤沢周平記念館開館祈念出版
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そういえば「こんなこともあったなぁ」と
忘れていた記憶を呼び覚まされる。
私も藤沢周平さんと同郷なのだ。
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忌み嫌った故郷のことを思い出すのも
トシとったせいかな。
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