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2009年7月29日 (水)

原信夫♯&♭ファイナルコンサート2008-09横浜

45年くらいムカシのハナシだけど、私がまだ高校生だったころ、わが町に原信夫と♯&♭が来たことがありました。なにしろ半世紀も前の東北の山の中の町のことですから、今のような市民会館というような整備されたホールがあるワケでもなく、ガラ〜ンとした体育館が会場でした。地吹雪で知られた町の真冬、暖房設備も無い会場で白いステージ衣装の洒落たシャープスの面々は、皆手をこすりながら演奏していました。観客だって椅子があるわけでもなく、ムシロ敷きの床に直に座っての観賞です。

たぶん地元労音の例会だったはずです。

クソ寒いこんな田舎町でラッパを吹かなければならない我が身の不運を嘆き、「やることやって早いとこ引き上げようぜ!」というのがメンバーの暗黙の了解事項だったのではないでしょうか。それでもハードバップからラテン、グレン・ミラーとプログラムをこなし、一応アンコールにも応えて「やることはやって」くれたのはさすがプロ。

私とブラバン仲間のトロンボーンの二人はジャズ生演奏初体験。演奏終了後オズオズとステージ脇の控え室を訪ねて、花形ドラマー、ジミー・竹内さんからサインとスティックを貰ったことを今でも思い出します。

あの真冬のシャープスが私の現在に至るダボハゼ音楽遍歴の原点になります。

Wikiで原信夫さんの項を見てみると、1926年生まれ、1943年に大日本帝国海軍軍楽隊入隊とあります。ということは、現在83歳で音楽歴66年ということ。そしてシャープス&フラッツを率いて58年といいますから、まさに日本芸能界の生き字引といえる存在です。

その原信夫と♯&♭が解散するというので私はファイナルコンサートに行ってきましたよ。

原信夫とシャープス&フラッツ
ファイナルコンサート2008−2009

2009年7月26日(日)
神奈川県民ホール 大ホール

このコンサートの新聞広告を見て即主催者に電話した時点でS席は売り切れ、B席残少々とのハナシに、改めてシャープスの人気の高さを知らされたワケです。

タイトルに「2008−2009」とあるように、昨年から日本列島を縦断して”ファイナルコンサート”を行っていたようで、7月26日の神奈川県民ホールは本当に本当のファイナルコンサート。シャープスはこれで見納め聴き納めということになります。

そして迎えた26日、久しぶりの横浜だから少し早めに行って赤レンガ倉庫だとか、大桟橋などで写真を撮り、山下公園でボ〜ッとしていると、、、、どこかから風に乗って聞こえてくるビッグバンドジャズのサウンド。もしかするとシャープスのリハーサルの音なのかな?まさか?と思い音をたどっていくと、公園の一角で海上自衛隊の横須賀音楽隊が広報演奏中。

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海上自衛隊横須賀音楽隊というと、、、

その前身は

大日本帝国海軍軍楽隊ということじゃないか?

本日、海上自衛隊横須賀音楽隊は海の傍の公園でグレン・ミラー・ナンバーを演奏。近くの神奈川県民ホールでは、御年83歳になる大大先輩の原信夫さん率いるシャープス&フラッツがファイナルコンサートをとりおこなうという・・・この偶然には笑っちゃうなぁ。

正にナニモノかが、この場合は“音楽の女神”が意図しなければ成立しないような偶然に大喜びしながら県民ホールへと向う。

開場が遅れているそうで入場を待つお客でロビーは超満員。これから始まる音楽への期待感に満ちた熱気が充満しているのだけど、どうも熱気の色合いが違う。顔ぶれを見ると、ジャズのコンサートというよりは民音の例会の雰囲気。先日の山下洋輔日比谷野音の平均年齢は45歳と見たが、今日のシャープスは55歳というところか。平均年齢の差からくる雰囲気の差よりは、音楽に対する根本的な嗜好に差があるような気がする。

「こんどポール・モーリアがあるけど、切符用意しようか?」

隣りのジジババのこんな会話が聞こえてきて気がついた。そうか、今夜のお客はリアル・ジャズということにこだわらず、広くポピュラーミュージックを楽しんできた人たちが集まったんだな。

NHK紅白歌合戦の伴奏をしていた時代のシャープス、美空ひばりの伴奏をしていた時代のシャープスで音楽の楽しみを知ったファンが最後の演奏を聴きに集まったようだ。この私もその一人だ。なるほど、シャープスはこのようにして日本のポピュラー音楽ファンの裾野を広げてきたんだと納得。

それにしても

ポール・モーリアって

まだ生きてんの?!

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やがてコンサートはスタート。

大まかにいって3部構成のステージ。

1部はカウント・ベイシー、スタン・ケントン、デューク・エリントンなど、かつてシャープスが目標としてきたアメリカンバンドのジャズクラシックの名曲が中心で、どの曲も懐かしく耳に心地よい。

2部は豪華ゲストを招いての超豪華セッション。

1.日野皓正 ♪モーニン

2.前田憲男 ♪クマナ

3.寺井尚子 ♪イン・ア・センチメンタルムード

4.北村英治 ♪メモリーズ・オブ・ユー

5.渡辺貞夫 ♪トーキョー・ディティング

日本ジャズ界のスター連とシャープスの共演に会場は大満足。こういった日本ジャズ界の重鎮たちもかつては原信夫さんとの共演を夢見たひとたちなのです。全員揃ってのジャムセッションを期待していただけに、それぞれ1曲だけで下がってしまったのが残念。

3部は、アメリカンバンドの模倣から脱却して真のオリジナル・サウンドを追求した時期のレパートリー。日本の音階でも充分にジャズになり得ること証明してくれます。

結成58年、ワンショルダーのストラップ姿の原信夫さん、83歳とはいえ変わらずダンディだけれど、歩く姿にはやはりお年を感じます。ソロをとるにはちょっと厳しいかな。それでもこうして元気にステージに上がって指揮する姿はこちらを幸せにさせてくれます。

上手に年をとることのお手本を見るような思いでした。

お客のジジババだって、こうして純粋に音楽を楽しめるんだから、幸せなことです。

そんな思いに浸っていると、やがて、原信夫とシャープス&フラッツのテーマソング『♪ブルー・フレイム』が奏でられ最後の最後のファイナルコンサートは終わってしまったのだ。

『♪ブルー・フレーム』

帰りの電車の中、

あぁ、これでシャープスが終わったんだな

感傷的な気分で会場で貰ったコンサート案内のチラシを見ていたら、、、、、、。

エッ?!
横浜が最後じゃなかったの?!

原信夫とシャープス&フラッツが出演するコンサートが
まだあるじゃない!
.
マイッタなぁ。
.
マッ!
イッカ!!!

というワケで、

7月19日には山下洋輔一派のジャズを楽しみ、

7月24日は桃太郎、高田文夫、遊雀 3人回で大笑い、

7月25日は新宿エイサー祭りにシビレ、

翌7月26日は横浜で原信夫とシャープス&フラッツのファイナルコンサートを聴き、

さらに胃カメラまで飲むという、

正にダボハゼ体質の面目躍如の1週間でした。

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