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2009年6月 8日 (月)

台湾からの手紙〜『神話の力』番外編

『神話の力』の動画が中国でダウンロードできないというメールをキッカケにハナシは意外な展開を見せた。

現在私がメーンにしているこのブログがチベットを取り上げて、ページのアッチコッチに雪山獅子旗がひらめく『嫌中』姿勢なのは事実です。しかし『神話の力』が保存されている兄弟サイトには、チベット旅行をしたときの一般的写真は多数あっても、政治的なメッセージは押さえてある。したがって、情報統制したい中国政府の神経を逆なでするサイトにはなっていないはず。ましてや、泡沫弱小サイトだから、そんなモノにブロックかけるほど中国はケツの穴が小さくはないはずだ。

そんなことを思っているときに良いアイデアを思いついた。

1年ほど前、このブログを媒介にして中国在住日本人と何回かメールのヤリトリをしたことがあり、彼にこの『神話の力』動画がダウンロードできるかどうかチェックしてもらおうと。ただ、あくまでもネットを通じての付き合いで、現在も中国に在住しているかどうかは解らない。

1年前の中国在住時のアドレスに、今回の経緯とアドバイスを乞う旨のメールを送ると、なんと台湾から返信が届いた。どうやら現在は台湾に居を構えて中国ビジネスに携わっているようだ。

私の問いに対しての返信は、長い間にわたり、中国・中国人とのビジネスに関わってきたひとの分析だけにとても興味深い内容になっているので、今回は『神話の力』番外編として、そのメールを公開いたしましょう。

もちろん公開はご本人了解の上です。

Sikiri

  <to えあじん>  (メールその1)

えあじんさま
お久しぶりです。
まず、ご返事申し上げます。
私は、現在も中国で生産工場立ち上げの仕事をしています。
ただし、台湾の企業なもので、現在の居住Baseは台湾でございます。
従いまして、お問い合わせの実験に直接ご対応することはしばらく不可能です。

私の経験から以下を申し上げます。

1) 現在の台湾の自宅には7MB−ADSLを入れてあり、これを使用しますと、ご紹介の動画は、かろうじて見ることができます。ただし、Downロードに時間がかかりますが・・・・・・重い!ちなみに、使用しているPCは、DUAL-CORE CPUの2.5GHzです!

2) 中国では、インターネットの国外に通じるゲートは、すべて管理(国、たぶん軍・・?)されており、中国版のエシュロンで情報監視、データの洗濯が行われています。(・・余談ですが、携帯電話も盗聴をすることができるようにすべてなっています。)

従いまして、普通の人々が、インターネットを導入しますと、2MB以上の(公称!・・実質は1MB/sec以下がほとんど)のネットはありません。高速なインターネット回線を導入している、大学、企業は、存在しますが非常に高価で、専用のシステム監視要員を置くことが義務付けられています。

3) 中国でネットを使用していると、しばしば急に回線速度が遅くなったりします。これは、中国にとって都合の悪いサイトにアクセスすると、自動的にアラームがあがり監視対象になるからです。

監視されている間は回線の状態が不安定になり、よく切れます。また、回線は非常に高速に細かい切断を繰り返し、つながっているようにPCからは見えますが、監視用のスーパーコンピュータが入って監視をしているのです。

特に、外国人のPCは、まず監視されていると思ったほうがよいでしょう。

私は、自分の中国で使用するPCは、厳重にファイアーウオール、ネットワーク監視、SPYウエアー監視、等々の自己防衛をしています。

また、「QQ」などの中国のサイトは絶対にアクセスしません。アクセスすると、監視用のスパイウエアーを送り込まれ埋め込まれてしまいます。

4) 従いまして、「上海在住の日本人の女性の方」が当該サイトにアクセスして動画をダウンロードするのは、まず無理かと思われます。また、貴殿のサイトがもし中国側のブラックリストに乗っている場合はほぼ絶望的です。動画をCDに焼いて郵送するのがもっとも手っ取り早い方法でしょう。

5) インターネットは、自由主義、民主国家の間では、「すばらしい、情報伝達共有の文明の利器」でありますが、中国においては、「すばらしい、人民の思想統制、情報統制管理の道具」なのであります。

同じハードウエアとしてのインターネットであっても、中国と日本ではまったく違った、異なった「使用目的」になっていることを、十分ご理解くだい。
これを理解しておかないと、大きな間違いをおこします。

中国では、国家に都合の悪いサイトはすぐに「消されます!」。従って、中国政府が「民意が・・」とか「インターネットでは・・・」とか言っているのは、完全に操作された情報なのです。

また、インターネットで発信をしている人々は、「許された人々」であり、すべて管理されている!と認識したほうが、われわれにとっては安全です。

6) もし、これをかいくぐって中国国内とやり取りするには、日本の携帯電話を使用し、中国国内のローミングを利用して、PCのコネクションを国際電話で日本のプロバイダーに直接アクセスする方法が安全であろうと思われます。・・・ただし、お金はかかりますけどね!

先の、四川大地震のとき、中国政府が、初めてNHK取材陣に対し衛星経由の映像データ転送の機材を中国国内に持ち込むことを許可しました。しかし、取材には中国政府の監視員が同行し、取材終了後にはすべての機材を国外に持ち出すことが条件でした。

中国政府は、自分の監視下のゲートを通過しないデータ転送を極端に嫌っているのです。

  以上、ご参考までに。

  (現在、台湾在住です)

Sikiri_2
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  <to えあじん>  (メールその2)

えあじんさま
はははは・・・
ブログへの転載いいですよ!
私は、別に中国を「さげすんだり」「見下したり」しているつもりはありません。しかし、我々、自由な国に居る国民にとって、異なる思想、国家体制、政治形態の国民と、付き合うということは、いろいろなことを理解しておかないと危険だ!ということです。


なんせ、私の中国の秘書嬢(昨年、広州の大学を卒業したて!)なぞは「チベットは中国固有の領土」「台湾は中国の一部」と平気で言います。なぜなら、そうとしか教育されていないのです。

毛沢東が軍事侵攻してチベットを占領した!なぞということは子供のころから習っていないのです。台湾に行くにはパスポートとVISAが必要であることも知らないのです。


それらをすべて認識した上で中国人と付き合わないと「同じ、人間同士わかりあえるはず!」・・・という論理はまったく通用しないことが、よくわかりました。

だから、中国サル山理論なのです。

私は、これらを理解して、中国人たちを使っていますので、非常にうまくいっており、それなりの人間関係も良好です。

しかし注意はおこたりません!

と言うわけで、どうぞ、お使いくださいますように。
また、なにか、ご質問等があれば、ご遠慮なく。

Sikiri_3

このメールからはネット情報にまで目を光らせて一党独裁体制維持にかける中国の執念が理解できる。

5) インターネットは、自由主義、民主国家の間では、「すばらしい、情報伝達共有の文明の利器」でありますが、中国においては、「すばらしい、人民の思想統制、情報統制管理の道具」なのであります。

7日(日)のNHKニュースは、W杯出場を決めた日本サッカーチームが帰国したことと、中国副首相が来日し、今後も経済協力を進めることで一致したと伝えていた。日本サッカーチームに見せた中国人のあからさまな反感や、『毒餃子』事件などへの中国政府の不誠実な対応がまだ生々しく残っている私には、いくら商売のためとはいえ中国は本当に信頼に足る国なのか?という思いがしたワケです。

いつもいつも
「オームマーク」だとか「ラーメン」だとかのことで
ニヤニヤしているチャンジーだが
『神話の力』動画をキッカケに
思いがけずも
上海・台湾とメールをやりとりした
真夏日の日曜日でした。

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モロッコ南部サハラ砂漠近くの村で見かけた
インターネットカフェ

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