キッドナップ・ブルース〜エイプリル・フール
先日恵比寿の東京写真美術館で写真家の操上和美さんの初監督映画『ゼラチン・シルバー』を観て、同じく写真家の浅井慎平さんの初監督『キッドナップ・ブルース』という映画があったことを思い出した。
ストーリー展開はすっかり忘れてしまったけれど、主演タモリの音楽山下洋輔。要するに浅井さんの交遊関係総動員の映画だったことは記憶している。1980年代、異業種の著名人が映画監督に挑戦するハシリになった作品ではなかっただろうか。
たまたま中古屋を覗いていたら、その映画のサウンドトラックを見つけたので買ってきた。
a

.
キッドナップ・ブルース
演奏:KIDNAPING BLUES BAND
1982年録音
JAL-28
.
このレコードから風が見えてくる・・・
山下洋輔の体には風が吹いている(浅井慎平)
無邪気に遊んでたら僕の違った面を出してもらった(山下洋輔)
このレコードではタモリがトランペットを吹いていたり、山下さんはピアノを離れてピアニカを吹いていたりする。映画に使われた音源なのかハッキリしないが、フリージャズ最前線を突っ走っていた1982年の山下さん。オフを仲間と楽しんでいる雰囲気が感じ取れて微笑ましい。
そんな懐かしい山下さんのレコードを聴いたから、本日の通勤のお供は“エイプリル・フール”にかけて、やはり懐かしい山下さんのアルバム『APRIL FOOL〜キャシアス・クレイの死ぬ日』復刻CDを聴いていた。

.
APRIL FOOL〜
キャシアス・クレイの死ぬ日
山下洋輔トリオ
.
全権プロデューサー 康芳夫
.
72年4月1日武道館、対フォスター戦を中心にした
モハメド・アリのドキュメント×山下洋輔トリオの
サウンド・コラージュ。
1972年オリジナル初版盤完全復刻
「キャシアス・クレイ」とはモチロンあのモメッド・アリだ。
当初、アングラフォークと呼ばれたURCレコードから発売されたものが、最近CDとして復刻されたのだ。タイトルの『エイプリル・フール』は1972年4月1日に日本武道館で行われたムハマッド・アリ×マック・フォスター戦に由来する。
別にアリと山下洋輔がサシでセッションしているわけでもなく、アリのインタビューとか練習中の音声と第1次山下トリオ(山下=P、中村誠一=Ts、森山威男=Ds)の演奏を矢崎泰久がコラージュ風に編集したもの。矢崎さんというと、サブカルチャー界の原点ともいえる雑誌『話の特集』の発行編集人で、私なんぞは月一回の発売日を待ちわびたクチです。
70年代のアリですから過激すぎるほど過激。片や山下3も過激さでは負けていません。アリの音声に触発されて山下3が演奏に入っていったものかは解らないが、アリのパンチング音声に森山さんのタイコが重なってトリオの演奏へと突撃するあたりは背筋がゾクゾクする快感を覚えます。
アリ×山下×矢崎
傑物たちのセッションをウォークマンで聴きながら
日銭稼ぎへと向かっていた
エイプリール・フールの朝でした。
a
a
| 固定リンク

コメント