カンドンブレの夜
サルバドールの一夜、バイーア州の料理とカンドンブレやカポエイラを合体させたショーを見に行ってきた。
このようなショーを上演する場所はサルバドール市内に何ヶ所もあるそうだが、私が行った会場は市内から車で北へ小一時間ほどのレストラン。シェハスコをメーンに日本式ののり巻きもあるビュッフェスタイルの料理の後、ステージのある2階に席を移してのショータイム。
[カンドンブレ]
16〜19世紀にかけてのポルトガルの植民地だった時代に、アフリカから奴隷として連れてこられた黒人たちの間で生まれた宗教。キリスト教に改宗させられる中で、特に西アフリカの宗教の影響を受けて独自に発展してきた。オリシャと呼ばれる神の降臨を願って、打楽器と踊りによるカンドンブレの儀式が行われる。
(『地球の歩き方』より)
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[カポエイラ]
ダンスと格闘技をミックスしたようなバイーア地方独特の武道がカポエイラ。弓のような楽器ビリンバウの旋律に合わせ、太極拳のようにスローな動きと、目にも止らぬスピードの足技とのコンビネーションが繰り広げられる。
(『地球の歩き方』より)
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最後は定番のお客を巻き込んでのサンバショーで大団円。
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バイーアの伝統文化を凝縮させた1時間は、観光客向けのショーなどと侮れない真剣度を感じさせるものでした。
とはいえ、
実際のカンドンブレはどうなんだろう?という興味もあって旅行社をあたってみると、、、。
サルバドールにはテへイロと呼ばれるカンドンブレの集会所が数多く存在し、本来異教徒立ち入り禁止のカンドンブレの儀式だが、見学者を受け入れるテへイロもあって案内することは可能だというハナシ。要は門外不出の儀式でも旅行社を通せば見学できるということだ。
というワケで、夜7時半、ホテルに迎えにきた旅行社差し回しのバンに乗り込んだのは、イタリア人カップル2組とアルゼンチン女性、日本人の私、それに現地ガイドの年配女性の5人。宗教儀式だから衣服は白が好ましいとあらかじめ注意を受けていたから、皆白系の上下だ。バンはセントロを抜けサルバドールはこんなに坂道が多かったのかと思えるほど、起伏の激しい暗い道をどんどん山の中に入り込んでいくから、いかにも“密教”という雰囲気が高まってくる。
谷間の小さな集落に着くとカンドンブレは既に始まっているようで、テへイロからパーカッションの音が聞こえてくる。30坪ていどのテへイロの正面はバンドスペースで4人のタイコ。生け贄の動物が血をしたたらせてぶら下がっていたり、オドロオドロしい装飾があるということもないごく普通の部屋で、女性の見学者は下手、男性は上手と分かれて座り、儀式の成り行きを見つめる。
スタート時は単調なパーカションのリズムに合わせて10人ていどの女性が反時計回りにノラリクラリ歩くだけで退屈だったが、1時間もすると男女50人くらいになり、リズムも複雑に激しくなってくる。自ずと踊りの動きも速くなってきた。そのうちにウツロな目をして踊りの輪から離れて勝手な踊りに入る者も現れてくるが、その振る舞いに暴力的な要素はなく、むしろ恍惚としている感じ。
300−400年前、アフリカから奴隷として連れてこられ、カトリックに改宗させられた彼らの祖先の血が、独特のリズムに接することで呼び覚まされるということなのだ。彼らがトランス状態に陥り陶然とした表情で何を見ているのかは解らない。遥かなるアフリカの大地に彷徨い祖先の霊と交信しているのかもしれないし、もしかすると神と対話しているのかしれない。何者かになり切っている人たちに危険がないように、“正気”を保っている数人がコントロールしている。
私は疑り深いから冷静に観察していたが、演技をしている気配もなく、目は完全にイッテる感じで明らかに集団憑衣現象だと見た。たぶんトランス状態の時間を過ごすことで、排泄浄化のカタルシス作用がはたらき癒され再生するということなのだろう。
「オレも宇宙とコンタクトできるかな?」
目を瞑りリズムに身を任せていたが、ただただあらぬ想念だけが行ったり来たりして着地させられないうちに肩を叩かれた。「もう街に帰りましょう」の合図。時計を見れば2時間以上いたことになる。儀式は延々朝方まで続くらしいのでもう少し目を瞑っていたかったが、しょせん邪心にドップリ浸かった私には宇宙との合一などムリなハナシかもしれない。
ショーで観たカンドンブレのような派手な演出はなかったけれど、一般の人たちの生活に溶け込んだ素朴なカンドンブレに触れた夜だった。
カンドンブレは宗教儀式で撮影禁止と言われていたのでカメラも持って行かなかったから画像はない。でもYouTubeにはチャ〜ンと動画がアップされているから、本日のひとりYouTubeはその動画を貼り付けましょう。
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コメント
マルコさま
お早うございます。
ブラジルの治安の悪さは定説となっているようですが、街の要所要所は警官がパトロールしていて、そう心配することはなさそうな印象でした。
ただし、被害に遭う人は被害に遭うわけで“絶対に安全”とは言いきれないのはモチロンです。
本文にも書きましたが、あまり神経質になるのも旅を楽しめないし、かといって、無防備すぎるのも危険です。そのあたりの加減は難しいですネ。
いずれにしても、私の場合はまったく問題ありませんでした。
投稿: えあじん | 2009年2月24日 (火) 午前 08時13分
こんばんは!
私の周囲もカポエイラ修行にブラジル行く人多いです。
が、「ビデオカメラ盗られた。」とか「拳銃突きつけられた。」とかいう武勇伝をたくさん聞いてるので、
すっかり行く気失せていたんですけど・・・
えあじんさんのブログ見てたら、ちょっと行ってみたくなりました~!!
投稿: まるこ | 2009年2月23日 (月) 午後 11時44分