アイム・ノット・ゼア/オレはそこじゃね〜ゼ
ボブ・ディランの成長期ごとに6人の役者が演じ分ける映画だろうと思ったら、ちょっと違ってた。

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I'M NOT THERE(アイム・ノット・ゼア)
トッド・ヘインズ監督
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詩人・無法者(アウトロー)・映画スター
革命家・放浪者・ロックスター
全てボブ・ディラン
6人の豪華キャストが演じる
生ける伝説
ディランがウディ・ガスリーに憧れた時代、ディランを育てた女たち、フォークシンガーとしての地位を獲得した時代、フォークギターからエレキギターに持ち替えた時代、新宗教に傾倒した時代、隠遁生活をした時代、、、と、6人の役者がそれぞれに別人格の役を演じるというのがこの映画。主人公はボブ・ディランという名前ではないけれど、見事にディランの半生を浮き上がらせる。
オートバイのオープニングを見ただけで、ディランに関する本を読んだり、ビデオを観たことのあるファンなら、そのオートバイが何を意味するか即理解できるし、ストーリーを構成するエピソードにニヤリとする仕掛け(その分ディランの知識が薄い人にとっては難解になるかな)。
時代背景と人物が“ブルーにこんがらがって”いく展開は、初めのうち混乱したけれど、「けっきょく、ディランを理解しようとすること自体がおこがましいことなんだ」ということに気がつけばラクなもの。ただ、スクリーンを眺めてスピーカーから流れる音楽に耳を傾けていれば、それでOK。
タイトルのI'M NOT THERE(アイム・ノット・ゼア)は、「THE BASEMENT TAPES(1967年作品)」のセッションでレコーディングされたけれど、レコードには収められず、海賊盤でしか聴くことができない曲らしいから、こんど中古屋で探してみよう
ディランの伝記映画はこれまでにも何度か企画されたけれど、ディラン自身の許可が下りなかったというイキサツがあり、これが初めてのディラン公認映画ということになるらしい。なるほどボブ・ディランという希代のトリックスターの複雑さを表現するにはこれ以上ない手法なのかもしれない。
追いついたと思ったらそこになく
見つけたと思ったら消えていた
というアンバイだったから
もう一回くらい観れば
初めて捉えられる映画かな。
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