「きょうも元気でタバコがうまい」はムカシのハナシ
「この会館だってタバコの税金が遣われてるんでしょ?
なのに、楽屋でタバコも喫えないなんて・・・
可笑しいですよネ〜」
以前大田区の区民ホールに沖縄出身の新良幸人の出演するコンサートを聴きに行ったとき、彼がこんなことを言ってたことを思い出します。楽屋でも喫えないからワザワザ外に出て隠れタバコをするんだとボヤイたのには笑ってしまいました。
飛行機に乗っても全面禁煙だから、国内線の1−2時間ならまだしも、国際線の5時間6時間の禁煙はかなりの苦行になって、旅に対する期待感も半減しそうな感じがします。喫茶店では店の奥が喫煙席として隔離されてたり、小さなラーメン屋までもがランチタイムは禁煙だとか、タバコを喫いながら歩いていると罰金だとか、タバコ喫いは伝染病患者のような扱いされる社会になってしまいました。
全館禁煙というオフィスビルが珍しくもないナガレの中で、仕事場でのくわえ煙草もままなりません。おおっぴらにタバコを喫えるのは自宅だけだと安心していたら、その我が家においてもいつしか嫌われ者になってしまって、家人の顔色伺いながらワザワザベランダに出て遠慮シィシィで喫わなければなりません。自宅においてさえこの有様ですから可哀想なものです。
気分転換のはずの一服が却ってストレスを作り出しているようなものです。
何かと肩身の狭いタバコ喫いですが、そんな彼らにとっての解放区というかオアシスのような場所がところどころにあって、それはタバコ自動販売機のある場所の一角。ここでは自販機前の小さな灰皿を囲んで愛煙家がしばしのスモーキングタイムを楽しんでいて、幅4−50センチの路肩から立ち上がるケムリはノロシのように空を目指して立ちのぼっています。
通りすがりの愛煙家が、タバコという一点だけで、いつのまにか同胞相哀れむ連帯感を醸し出しているようにも見えます。
この小路を通るたびに見慣れた景色だったある日、タバコ喫いのタムロするビルの壁にこんな貼り紙がされたことに気がつきました。
タバコ自動販売機と灰皿を置いてある店の向かい側のビルが、ここ(幅4−50センチの空間)は自分の敷地だからこの場所に立ち入ってタバコを喫うな!!!と意義を申し立てたワケです。「何もそこまでしなくとも」と思えるけれど、ビルオーナーにとっては、外壁がケムリで煤けるなどの理由で自分の敷地内でタバコを喫われることは不愉快なんだろうなぁ。
もっとも、そんな貼り紙もものかは、みんな平気でタバコを喫ってるけどネ。
つい数年前までは「きょうも元気でタバコがうまい」という名コピーのもとイケイケドンドン、国家が一手に引き受けて世の中に広めていったタバコも、現在では社会悪のような存在に扱われ、ウソかマコトか「タバコ1函1000円!」などという声も聞かれます。
つまはじきにされ、そのうえ簡単に取れるところから取ってしまおうというオカミのヤリクチに怒り、「それならタバコ止めちゃおう!」と禁煙に挑戦してみても一日で挫折という経験をお持ちの方も多いでしょう。
そんな禁煙希望および挫折者のためにこんな新聞広告も出ていました。
これによると「禁煙」ではなく「離煙」と言うんだそうで、イヤハヤ考えるモンです。全国紙一面に打って出るくらいですから、「禁煙グッズ」は充分に商売になりうるアイテムなのでしょうネ。
かつて一世を風靡した「私はこれでタバコを止めました」の禁煙パイポを初め、禁煙ガムなど禁煙グッズも数多く発売されてきたけれど、こういったモノでタバコを止めれたというハナシは聞かないんですけどネ。
“動くエントツ”といわれた私がタバコを止めてから25年くらいたちます。
禁煙に挑戦し敢えなく返り討ちにあった経験が数回あって、その日もタバコの喫い過ぎで最悪の目覚め。こみ上げる吐き気を紛らわせるために布団にうつ伏せになりながら呼吸を整えているあいだに、
「ヨシッ!今度こそタバコ止めよう」
クセになっている目覚めの一服を止めて、まずタバコと灰皿を捨てを捨てることから初め、自宅からバス停へ行くまで、バスを降りてから駅に向うまで、ホームで電車を待つ間、到着駅で電車を降りてから、駅を出てから喫茶店に向うまで、喫茶店でコーヒー飲みながら、喫茶店を出て仕事場に向うとき、仕事場について机に向ってから・・・と、それまでの喫煙タイムは水をガブ飲みしたりガムを噛んだりしながらの気分紛らわし作戦を展開。
ガマンに我慢を重ねながら4日くらいして、「いま喫ったら美味しいだろうな〜」という誘惑に負けそうになったとき、
「あんた、いま禁煙中でしょ?それを見てワシも喫ってないんよ〜」
と声をかけてきた同僚がいたワケです。“動くエントツ”の私がタバコを喫わず、水ばっかり飲んでいる様子をさりげなく観察していたんですネ〜。
「アイツになんか絶対負けられない!!!」
その同僚とは必ずしも折り合いが良くなかっただけに、生来の意地っぱりがアタマをもたげ、張り合うような格好になって目出たく禁煙に成功というのが私の禁煙体験で、もちろんその同僚にも私への対抗心があったことでしょう。同僚もまた禁煙に成功ということになります。
私と同僚が禁煙できた最大の要因は「オトコのメンツ」ということになると思います。
だから、もし禁煙に挑戦するんだったら、禁煙パイプなどの禁煙グッズに頼るよりは、誰かと「賭けをする」という方法が案外効果ありそうな気がします。それも「コイツだけには絶対負けられない!」というような相手とだったら完璧です。
タバコを止めて25年ほどたち、永年の喫煙習慣で肺に溜まったニコチンもすでに対外に排出されたはず。食欲は増し、体重増加対策に水泳を初めたりの成果が現れたか、階段の昇り降りに息切れすることもなく、今では毎日の目覚めは『♪朝日のように爽やかに』状態。
ムカシは一日60本くらい喫ってたんだけど
考えるところがあって止めたんですヨ〜
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優越感を味わうこともある
小市民のワタクシです。
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