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2007年5月13日 (日)

ハロー!オレがジョニー・キャッシュだ!

駅ビルにあるCD屋の「カントリー&ウェスタン」コーナーで見つけたのがジョニー・キャッシュの『ウォルサム刑務所ライブ』。あの伝説のライブがCD2枚DVD1枚のボックスセットで発売になったわけだ。映像付きで!ということなら、これは買わないテはありません。

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JOHNNY CASH
AT SAN QUENTIN
(LEGACY EDITION)
1969年6月4日
サン・クェンティン刑務所にてライブ録音

何といっても興味深いのはイギリスのグラナダ・テレビ制作の番組。よくぞこんな映像が残っていたものと驚く、受刑者に対しての所内でのインタビューとジョニー・キャッシュの刑務所内パフォーマンス。

日本での刑務所慰問では考えられないことだと思うけれど、受刑者が顔を晒して自分の犯した罪や所内での絶望的な生活を語ったり、刑務所や看守を揶揄する歌を公然とうたう歌手に聴衆である受刑者が拍手喝采する図には「さすが!“自由の国”アメリカ!!!」。

じつは私は『サン・クェンティン』のオリジナルLPレコードを持っていて、ムカシ初めて聴いたときはこのライブの背景も何も知らず「ジョニー・キャッシュなどただの時代遅れのカントリーオヤジ」ていどとしか思いませんでした。

しかし、今回CD化されたものを改めて聴きDVDを観て、受刑者の発するパワーを取り込み、ヤツらに倍にして投げ返し煽るジョニー・キャッシュに西部開拓者のスゴみが理解できたワケです。(萩原健太さんの解説と三浦久さんの訳詞に感謝。ちなみに三浦久さんは中山ラビさんの仲間であり自らもフォークシンガーでもあるのです)

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JOHNNY CASH
AT SAN QUENTIN
(CBS CS9827)

このオリジナルLPレコードはいわゆる“ピー音”が数カ所に入るという奇妙なレコードですが、今回発売されたCDではこの“ピー音”も削除され元セリフも判明。つまり万国共通放送禁止用語(?)が隠されていたワケだ。オリジナルレコード発売から30数年の間に言語表現の規制も緩和されたということなのかな。

ところで、ジョニー・キャッシュにはもう1枚刑務所内ライブアルバムがあって、それがコレ。前記『AT SAN QUENTIN』の1年前のパフォーマンスということになります。


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JHONNY CASH
AT FOLSOM PRISON
1968年1月13日
フォルサム刑務所でのライブ録音

エルビス・プレスリーと並ぶスターの座にあったジョニー・キャッシュも、やがて麻薬に溺れ破滅へと向うお決まりのスターの末路。失意の日々の中で刑務所内の受刑者から宛てられた多数のファンレターを読み刑務所内ライブを決意。恐らく受刑者はジョニー・キャッシュの中に自分たちと同じアウトローの匂いを嗅ぎ取っていたのでしょう。

「刑務所でのライブレコードなど売れっこない。そんな黒装束じゃ時代遅れだ」のレコード会社おエラ方の反対を押し切ってのライブアルバムは記録的ヒットとなりジョニー・キャッシュは劇的にカムバック。さらに麻薬癖からも抜け出して音楽界の大御所としての地位を得ることになります。

こんなジョニー・キャッシュストーリーを教えてくれたのがこの映画。

Walk the line/ウォーク・ザ・ライン
(予告編をクリックどうぞ)

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貧しい開拓農民の次男に生まれた音楽好きのジョニーは出来の良い兄に何かと比較されて育ち、その兄の死の際「悪魔はいい子を奪った!」と吐き捨てた父に怨みを抱いたまま成長します。ジョニーの原風景は父のその言葉と、兄と一緒に小さなラジオで聞いたカーター・ファミリーのジューン・カーターの歌声。成長したジョニーは兵役勤務終了後に幼なじみと結婚し、普通の生活を営むものの音楽への夢を捨てきれず、近所の仲間とバンドを組みレコーディングのチャンスを待ちます。

やがて、兵役勤務時代に見たドキュメンタリー映画「ウォルサム刑務所」を素材にした曲がレコード会社のオーデションに合格しレコードデビュー。それからはスター街道をまっしぐら、音楽活動も充実し円満な家庭を営むジョニーの前に現れたのは、幼いときの憧れだったカーター・ファミリーのジューン・カーター。

二人の愛の行方は・・・を縦糸に、ジョニー・キャッシュの「成功と失敗・挫折と再起」を横糸に絡ませたこの映画は、音楽映画としても恋愛映画としても大いに楽しませてくれます。

多様な音楽的背景をもつ一般的アメリカ人にとって、刷り込まれている音楽はやはりカントリー&ウェスタンかなと思う。どんなことがあっても、最後にはC&Wの単純なメロディと陽気なリズムがあればそれだけで「マッ、イッカ」ということでまとまってしまいそうな最大公約数の歌がC&Wのような気がします。その、東の横綱がエルビス・プレスリーで、西の横綱がジョニー・キャッシュとなりそうです。

実態はともかく、健康優良児的ストーリーに彩られたエルビス・プレスリーに対して、ジョニー・キャッシュとなると、これはもう、宗教の戒律に縛られるPTAあたりのタテマエ人種はマユをひそめる悪たれ小僧ブリ。その上に逮捕歴ですから浮かばれません。

それでもなお絶大な人気を誇ったのは、あらゆる困難を克服しながら西を目指した、西部開拓史のヒーローの姿をジョニー・キャッシュに見たのかな。

ジョニー・キャッシュ関連のCDやDVDを連続して見聴きしてこんなことを思ったのです。

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最後にジョニー・キャッシュが出演しているドラマを紹介しておきましょう。『ウォーク・ザ・ライン』は役者が演じるジョニー・キャッシュ伝記映画だけど、こちらはホンモノのジョニー・キャッシュが役者として達者なところを見せています。

『刑事コロンボ・白鳥の歌』

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ストーリーは、妻に弱みを握られたカントリー&ウエスタン歌手が妻を殺すというもの。もちろんC&W歌手がジョニー・キャッシュの役どころ。逃げおおせたかと思ったジョニー・キャッシュの前にヨレヨレコートのコロンボが葉巻くわえて現れ追い詰めるといういつもながらのストーリー。ジョニー・キャッシュの実生活とオーバーラップするようなところもあり、ニヤニヤしながら見てしまいました。

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