マラケシュはアッというまに燃え上がる
モロッコを色で表すと茶・青・白の三色になる。
茶は建物と乾いた大地の色。
青はもちろんどこまでも続く空の色。
白は、、、行くてを塞ぐアトラス山脈の雪。
モロッコの観光は、カサブランカを出発点として時計回りに周遊してカサブランカに戻るルートと、カサブランカから反時計回りに周遊してカサブランカに戻る2通りのルートがある。どのルートも立寄先はだいたい同じで、私が参加したツアーはカサブランカに一泊した早朝にバスでマラケシュへと一挙に駆け抜ける反時計回りルート。
道路状況は意外にも整備されていて快適なドライブ。同じバスで全行程を周遊することになるのだが、後進国・・・こういうとどこかからクレームがくるかもしれないから、発展途上国と言い直すけれど、、、。クルマの能力の差がハッキリわかっているのに、追い抜こうとするクルマに道を絶対に譲ろうとせず、対向車が迫ってきてドキッとすることがしょっちゅうあります。そんな運ちゃんのチキンレースにつきあって命を落としたくない一旅行者としては罵倒するしかないけれど、モロッコではこんなことでヒヤリとすることがなかったのに感心。こんなところにも国民の民度の高さが表れているのです。
カサブランカ→マラケシュ250kmを5時間で走破。
マラケシュはフェズに次ぐ2番目に古い街だといいます。観光客を引きつけるのはメディナと呼ばれる旧市街と、かつては公開処刑場だったというジャマ・エル・フナ広場で夜毎繰り広げられる大道芸人の大セッション。
迷路のように小路が張り巡らされた旧市街をガイド付きで散策するうち、人の影が長くなり、やがてシシカバブの煙立ち上り薄暗くなっていきます。
人混みの中をスリとカッパライがカモを狙っているのは万国共通。貴重品はフトコロの奥深くに仕舞い込んで目ん玉ランランと輝かせて徘徊すれば、ヘビ使いのオヤジはまだまだやる気なし。そんなオヤジの気配察したヘビだってトグロ巻いたまんまノンビリしたもの。
ワケの分からぬガラク並べて所在なげにアクビするオヤジの隣でタロット占いの老婆妖しく笑いかけ、入れ墨師の女は色見本を示して「カモン!カモン!ジャパ二」。私も負けずに「サバ!サバ!ミソニ!シメサバ!」と何十年変わらぬギャグカマシてスリぬける。
オメー遅いんじゃね〜か?良い場所取られちゃったじゃね〜か!そう言ってるのかどうか?時間にルーズなのはバンドマンの常。大目に見ようじゃありませんか。
既にノリノリ二人組は楽器弾きながらの掛け合い漫才風。何が面白いのか周囲の客ドッと笑い声。金歯が夕日を受けて★状に光る。軽業師のガキは逆立ちしながらミエを切れば集金係走り回る。定番コンテンツのガマの油売り口上がなり立てながら自らの腕に切り傷を作る。ヘソ踊りの女はマネー!マネー!と観光客追い回し、水売りのオヤジもフォト!フォト!と金メッキのコップを鳴らし誘うけれど、紅毛碧眼慣れたものでシカト決め込む。
暗くなっていくごとに、どこから湧いてきたかと思えるほどの男女爺婆ガキ猫犬。シシカバブの煙と匂い広場を包めば祭りは絶好調。
暗くなった広場を仕切るのは火の輪くぐりと火吹き男の一団。彼らこそ、この広場のスターだ。ボー!ボー!!!火の玉ふくれるたびに客の列は下がり又もどる。黄色の炎のメラメラはお客の顔を鏡にして映し出す。
夜毎繰り広げられる盆と正月結婚式セッション。過去にどんな文化の往来あったのか?万国共通の大道芸をゲップがでるほど楽しんで、ふと、見上げる空に誰が歌うのか子守唄ならぬコーランの響き。
アッ サ ラ マ レ コ ン
ア レ コ ン サ ラ ー ム
ア ッ ラ ー ア ク バ ル
かくして、マラケシュの夜は更ける。
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