のぼせもんやけん/小松政夫
「のぼせもん」とは博多の言葉で、すぐに夢中になる、熱中しやすい人間のことを言います。
小松政夫の出世ギャグ、例えば「知らない知らない知~らない」と身をヨジるギャグは東京トヨペットのセールスマン時代の同僚の仕草を真似たものだったというのは有名なハナシ。この本は名優小松政夫が、映画スターを目指し、博多を出て横浜に住む兄の部屋に転がり込んでから、芸能界入りするまでの18歳から22歳のことを中心に語ったもの。
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今まで正面から語られることのなかった |
市場の下働きを経て事務機のセールスマンになり、横浜トヨペットに引き抜かれトップセールスマンになるも、芸能界への夢捨てきれず「植木等の付き人募集」に応募して600人の中から採用されて、芸能界入りするまでの爆笑履歴書。ただし、著者あとがきにも書いてあるけれど、ハナシをかなりオーバーに書いたそうだから、実際にはこんな愉快なことばかりじゃなかっただろうけれど、、、、笑えます。
そして、、、、、。
ありきたりだけれど、夢を諦めないということがいかに大切か、才能と精進さえあれば、それを誰かが見ていて、きっと拾い上げてくれるということをこの本は教えてくれます。
この本を読んで、イッセー尾形の一人芝居に小松政夫がゲスト参加したときのビデオのことを思い出した。
というワケで、その画像を紹介いたしましょう。
取引先の親睦会で相部屋になった2人。両者とも代理の代理というような感じの参加で、どうやらイヤな役目を押し付けられたらしい。初対面同士、お互いに相手の器量を読み計りながら接点を見出そうとするけれど、ハナシが噛み合わず気マズイ空気が漂います。やがて大広間の宴会場に移り、会社の手前一応常識的なセンで宴会を盛り上げようと苦心する小松政夫と、わずかの酒でハメを外してジャガーチェンジ(by:山下洋輔)、日ごろのウップンを晴らすかのように乱れるイッセー尾形。
下請け会社の悲哀が良~っく現れています。
かつては人気ものだった手品師小松政夫とパートナーのイッセー尾形。今ではドサ周りでなんとか生活を支えています。今夜もキャバレーのステージ袖で、出番を待ちながらかつての栄光の時代を語り合い懐かしんでいます。やがて出番になって手品を始めても、酔客はそんなもんにダ~レも興味を示すことはありません。客にもホステスにも無視されながらも、それでもなんとかステージをこなし退場すれば、疲れがドッときて倒れこむ小松政夫。
これもまたウラぶれた芸人の末路だなぁ。
とある場末のビルの一室。社長と呼ばれる小松政夫はパンチパーマで、部長と呼ばれるイッセー尾形は前歯が欠けたままという、いかにもインチキ臭いご両人。今日も「社長!」「部長!」とお互いに呼び合いながら、テレビの高校野球を見ています。どうやら他に従業員はいないらしい。そんなところにお客からの電話が入り、その内容から、この会社は年寄り専門の詐欺会社だということが明らかになっていきます。
この商売もこれで終わりだな、、、、。それまでは「社長」の“訓話”をしおらしく聞いてるフリの「部長」が手切れ金を要求するシーンの張り詰めた空気は正に鳥肌もの。
どこまでが台本でどこまでがアドリブなのか分からない、イッセー尾形×小松政夫が四つに組み表現した世界は、「アッ!こんなヒト見たことある」と気づかせもし、「コレは、もしかすると、オレの姿なのか?」と思わせる世界でした。
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