ガイキチバンザイ
ボブ・ディランのipodCMの続きだけど。
アップルコンピュータの広告といえば、数週間前の朝日新聞見開き2ページにおよぶibookの広告には驚きました。ipodのヒットで業績上昇の勢いをパソコンにも反映させようという大キャンペーンなのでしょう(ちなみに私は朝日新聞は購読してないから、この広告はたまたまソバ屋で見た)。
かつて、業績不振に陥ったアップルを立て直すべく、アップルから追われた創業者のスティーブ・ジョブズが返り咲いたとき、Think different.というメッセージで意識変革を迫ってからアップルの快進撃が始まった、というのは私でも知っているアップル神話のひとつ。
まず、ジョブスは「“ガイキチこそが世界を変える”(えあじん訳)」というテーマで、例えばアインシュタイン、エジソン、キング牧師、レノン&ヨーコ、(ムハマッド)アリ、(マハトマ)ガンジー、ピカソ、それに我らがディランなどなど、新旧の社会の変革者の写真を使った広告を打ったのは有名なハナシ。
世間の常識に捉われなかったゆえの自由な発想で社会に影響を与えたこれら偉人の写真と、シンプルなキャプションによって、アップルのThink different.のメッセージがより明確に人々に伝わったといわれます。
アップルの方向性を示した一連のこの広告は社会的にも評判を呼び、その後1冊の写真集としてまとめられ、アップルファンだけに限らず一般的にも話題を集めたのです。結局、誰もが社会の枠組みだとが前例だとかにガンジガラメに縛られて感じる息苦しさから抜け出したいという願望を抱いているということなのでしょう。
その「クレイジーな人たち」の一人に選ばれたボブ・ディランの写真がこれで、会場名は不明ですが、ギター弾くディランの頭はまるでダイナモ状態で発光しています。
ページ数にして僅か40ページの小冊子並の薄い本ですか、異形の人の重さがズシリと伝わってくる本です。
クレイジーな人たちを讃えよう。
はみだし者、反逆者。
トラブルメイカー。
四角い穴に打ちこまれた丸い杭。
物ごとを違うところからながめている人々。彼らは規則が好きじゃない。
現状を維持するなんて気にもかけない。称賛してもいい。
異議をとなえるのもいい。
発言を引用してもいい。
信用しなくたっていい。
美化しようと中傷しようとかまわない。
だが、彼らを無視することはできない。なぜなら彼らは物ごとを変えるからだ。
彼らは発明する。想像する。癒す。
冒険する。創りだす。インスパイアーしてくれる。
彼らが人類を前に進めるのだ。たしかにクレイジーにはちがいない。
そうでなければ、他のいったい誰が
無地のキャンバスに
芸術品を見ることができるだろう?
いったい誰が沈黙の中に座って
まだ作られていない音楽を聞けるだろう?
あるいは赤い惑星をじっと見つめて
車輪に乗った実験室を見ることができるのか。私たちはそんな種類の人々のために道具を作っている。
クレイジーとしか見られない人々だが
私たちには天才が見える。自分は世界を変えることができる、と考えるほど
十分にクレイジーな人たちがほんとうに世界を変えるのだ。
Think different.
クレイジーな人たちへ(アップル宣言)/三五館より転載.
ガイキチになりたいという願望をもちながらも、大勢の中にいる居心地の良さに慣らされてしまい、もみ手も4つ5つ6つ。愛想笑いも7つ8つ9つ。せめて寝る前にこんな本を眺めては「クレイジーな人たち」の視線の先にあるものを想像してみようか。
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