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2006年6月17日 (土)

駿河のとんかつ(神田駿河台)

神田のとんかつといえば、これはもう、早い安い美味いの「いもや」がベストだけど、靖国通りから旧住友銀行(現三省堂支店)脇の小路を明大方面に上った左にある「駿河」のとんかつもなかなかのものでした。

ここの店主というのが見るからにイカにも根性ワルそうな顔で、いつも苦虫噛み潰したような顔して揚物鍋に向かっているオヤジでした。3人のオバさんが働いていて、オモシロクないことがあると客の前でオバさんにネチネチ小言を言い、混雑時など、「相席にしてもらえよッ!!!」と罵倒することもしばしば。それも面と向かって言う気の強さもないから、顔を伏せたまま、目を合わせないようにして言うタイプ。

さすが平均年齢60歳のオバさんだから慣れたモンで蛙の顔にナントカと平気なもの。オヤジとオバさん連合のこんなセッションをカウンターに座ってさりげなく観察するのもオモシロイものでした。

私は毎年カキの季節にいつもカキフライを食べに行ってたけれど、大ぶりのカキ5ヶと付け合せに大盛のスパゲティ・キャベツというボリュームで、学生街の飯屋らしく700円という安さに大満足。

数年前からどこかから帰ってきたオヤジの息子がカウンターの中で揚物鍋の前に立ち、オヤジは奥に引っ込みパン粉マブシたりしているから、「世代交代だなッ」と思っていたら、昨年秋には建物取り壊して工事が始まったため、今シーズンはとうとうカキフライ食べ損なってしまった。

昨日、その駿河前を通りかかったら新規開店していたので、あのオヤジとオバさん連合の顔を見ておこうと入ってみたら、店はありふれたトンカツ屋の内装になり、お目当てのオヤジの姿なく、オバさん連合も退場して平均年齢33歳という若返りぶり。息子はスッカリ自身に満ちた経営者の顔になって揚物鍋の前に立っているから、もはやオヤジの時代は終わったらしい。

その駿河のとんかつ。
700円也 
60617_1

息子に代替わりした駿河のとんかつは、肉の厚さもだいぶ薄くなり、魅力だったキャベツ・スパゲティもオザナリでツマラナイものになっていました。

先代は、カウンターに傷がつくのがイヤなモンだから、客には油で薄汚れたお盆にとんかつ皿を載せて、そのまんま客に出すようなセコさだったけれど、あんなオヤジでもいなくなってしまえば「学生相手にあの大盛をズ~ッと維持してきたあたり、ななかな大したモンだったなぁ」などとミョーに懐かしくなったのでした。

苦虫噛み潰したような顔も、
じつは
哲学者の顔だったように
思えたワケよ。

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