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2006年5月26日 (金)

ヨコハマメリーはラーダー妃か 3

from えあじん

どうもでした。

2ヶ月くらいまえから右腕の肘のあたりが痛くって医者へ行ったんですが、

いわゆる「野球肘」という見立てでした。

それ以来毎日近くの診療所で5分間電気を当てるリハビリをしています。

痛い原因は骨の老化によるものだそうですが、

人間は黙ってても確実に老いていくことを実感するきょうこのごろです。

さて、

映画「ヨコハマメリー」を観て、メリーさんを撮影した「Pass ハマのメリーさん/森日出夫」という写真集があることを知り、古本屋何軒かで訊いたけれど見つけれなかったことをこのサイトに書いたところ、それを読んでくれた方からコメントをいただきました。

そのコメントによると、この本は自費出版のような形で500部ほど制作して、著者の交友関係中心に配ったものらしく、一般の流通ルートには乗らなかった本のようです。そんなワケで、ごく少数の人しかその存在を知らなかった写真集が、今回の映画が反響を呼んだことで注目を集め、再版が検討されているということでした。

私が調べたところでは国会図書館にも所蔵されておらず、都内では都立中央図書館に1冊だけ資料として存在していました。そこで、都立図書館に問い合わせたところ、すでに何人かの貸し出し予約が入っているそうで、今予約しても2ヶ月以上先の貸し出しになるだろうという予測でしたので、諦めて本が再版されるのを待つことにします。

情報によると横浜の図書館には所蔵されているそうで、たぶん著者が贈呈したものでしょうネ。

ヨコハマメリーさん関連の素晴らしい本がありますのでお薦めいたします。

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天使はブルースを歌う
横浜アウトサイド・ストーリー

山崎洋子

毎日新聞社
1999年9月30日発行

ブルースの街のもうひとつの戦後史。
伝説のGS「ゴールデン・カップス」。
白塗りの孤高の娼婦「港のメリー」。
「GIベイビーと呼ばれた混血児たち。
戦後横浜の鬼っ子(エイリアン)
を通して、ブルースの街の光と影を描く、
著者初の書き下ろしノンフィクション。

戦後、GIと日本人女性との間に生まれ、
遺棄された混血児が900体ほど埋葬されているお墓がある。

1960年代後半に一世を風靡した『ゴールデンカップス』のエディ藩の歌に魅かれ、ライブハウス通いするなかで、彼から聞かされたこんな話に興味を持った著者。

戦後の横浜で、生まれてすぐに闇夜に葬られた混血児の実態を取材するうち浮かび上がったのは、《明るく開放された》イメージの定着した現在の横浜が形成されるまでには隠匿したい過去が幾多もあったという事実。

白塗りの街娼ヨコハマメリーをたぐり寄せ、ハーフを売り物にして人気を集めたゴールデンカップスをデビューさせた横浜の妖しい磁場を語っているようで、著者は結局自分自身を語っているのです。私と著者は同じ世代で、著者と私がもの心ついてからこれまで触れてきたもの、例えば社会的事件も音楽の流行もたぶん同じはず。それだけに著者の視点になおいっそう共感を覚えた作品でした。

Sikiri_8
「音楽にはまったく詳しくなく、そう聴くほうでもないが、
このCD一枚で、わたしはエディ藩に溺れこんでしまった」
と、
著者に言わせしめた、エディ藩のアルバム。
60524_2
BLUE JADE
EDDIE BAN
TOCT-16034
(1982年)

1.BACK TO CHINA TOWN
2.横浜ホンキートンク・ブルース
3.EVERY LONELY NIGHT
4.雨の馬車道
5.淑珍(スーザン)
6.ROUTE 66
7.WAITING SOMEONE(TO TAKE MY HAND)
8.NIGHTS IN SATIN
9.BLUE JADE
a
一瞬で去ったGSブームのあとに残ったのはアイドルたちの残骸。
ゴールデンカップス解散後約10年を経て、
ソロ歌手としての評価を決定づけたアルバムで、
名曲の誉れ高い「横浜ホンキートンク・ブルース」が聴けます。
このアルバムでの、エディ藩の歌い方、曲調は
その後模倣者を多発させることになります。
早熟なるがゆえに味わうことになる辛酸をくぐりぬけ、
成功も屈辱もすべてを取り込み浄化し、
まるで、
悟りの境地に到達したかのような穏やかな世界に遊んでいます。
Sikiri_7
1980年代初めの上記アルバムBLUE JADE」を経て
2004年に発表したのがアルバム「ANOTHER BETTER DAY」
60524_3
ANOTHER BETTER DAY
EDDIE BAN
&
ROXVOX
WBC2004-24
(2004年)
1.ANOTHER BETTER DAY
2.WALK,IN MOONLIGHT
3.MERCY,MERCY,MERCY
4.LONELY NIGHT LONELY BLUES
5.丘の上のエンジェル
6.MYSTERY TRAIN
7.長い髪の少女
8.BONY MORONIE
9.DAY AND NIGHT
10.ヨコハマ ホンキ-トンク ブルース
a
ジョー・ザビヌルの有名な「MERCY,MERCY,MARCY」という
意表をついたついた曲にニヤリとさせられたり、
ゴールデンカップス時代の人気曲「長い髪の少女」からは
エディ藩の余裕が読み取れます。
エディ藩の音楽的ルーツが伺える興味深い選曲の中で、
私が何度も何度も繰り返して聴いたのが
丘の上のエンジェル/作曲:エディ藩/作詞:山崎洋子
という曲。
作詞の山崎洋子は「天使はブルースを歌う」の著者で、
エディ藩に乞われて、
遺棄嬰児の慰霊塔建設資金調達の一環として制作するCDの
作詞を担当することになります。
“望まれなかった赤ちゃん”としてこの世に生を受け、
そして遺棄された嬰児を鎮魂する重たい背景をもちながら、
誰かを非難するでもなく
恨み言を述べるわけでもなく
憐れみを乞うでもない
赤ちゃんが背中に感じた土の冷たさを忘れさせるような、
温かなまなざしと優しい愛に満ちています。
この曲のもつ背景はヌキにしても、
普遍的な愛を歌う名曲だと聴きました。

映画「ヨコハマメリー」を観て、

「天使はブルースを歌う」を読み、

現代の横浜からは想像もできない暗部を垣間見た後に聴くエディ藩の歌は

一層スゴミが感じられます。

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